鎌田がサガミとは違う方法で再生した味の民芸は、関東を中心に50店舗を展開している和食ファミレス。看板商品は手延べうどん。長時間熟成させた生地を人の手で丁寧に伸ばしてつくりあげたこだわりのうどん。こよなく愛されている人気の店だが、かつては売上が低迷し赤字に陥っていた。さらにその当時はコスト削減が現場で行われ、きれた電球も取り替えていなかったという。また味に直結する食材費の削減や人件費の数も大幅に削減。現場は疲弊しきっていたという。そんな状態の味の民芸を鎌田は迷うことなく買収した。その改革はサガミのやり方とは大きく違い、部下を信じて任せること。託されたのは当時鎌田の右腕だった大西。しかしいざ店を訪れると大西は大きな不安を感じたというが赤字を出さないことばかりを考えてばかりで、料理の提供時間もかかっていて厳しいと思っていたという。看板商品である手延うどんも、満足のいく味ではなかったという。