政治部与党キャップの小嶋章史記者に聞く。与党で過半数割れ、自民党は2009年に政権を失って以来の単独過半数割れ。公明党は代表が議席を失い、常勝関西といわれる大阪の4つの選挙区でいずれも敗れたので大敗と言わざるをえないと思う。石破総理は昨夜「政治とカネの問題について全く理解が得られていないことが一番大きかった」と話していたが、与党の幹部からは「この問題の影響が大きかった」という受け止めが大勢。実際NHKの出口調査でも70%を超える人が投票にあたってこの問題を考慮したと答えている。選挙戦終盤では自民党を非公認となった候補者が代表を務める党支部などに2000万円が支給されたことが明らかになり、候補者からはさらに逆風が強まったという声が相次いで聞かれた。一方、野党からすれば与党を過半数割れに追い込んだので今後に弾みをつけた格好。選挙前から50議席増やした立憲民主党は政治とカネの問題を選挙戦で一貫して批判し続けた。野田代表も「自民党側の失敗でもあるが、野党第1党として本当の政治改革をやってほしいという思いを結集できた」と話した。また、国民民主党、れいわ新選組も議席を伸ばしたが、2つの政党は有権者の暮らしに密着した政策などを訴え続けたことが功を奏したのではないかという声が与党からも聞かれる。一方で日本維新の会は大阪では地力を見せつけたが、関西以外での勢力拡大が引き続き課題として残った。今後どうなるか。与党が少数なわけで衆議院では法案、予算案を可決することができなくなる。野党からすればまとまって行動すれば衆議院で主導権を握ることができる。石破総理は昨夜野党の協力を求めてでも自民党中心の政権を目指したいという考えを示した。今後は非公認で当選した人を追加公認したり、政策ごとに一部の野党の協力を得たりしながらの政権運営を余儀なくされる。ただ、自民党内からは与党で過半数という目標が達成できなかったから幹部が責任を取るのは当然だという声が出ている。複数の関係者によると小泉選挙対策委員長は辞任の意向を示しているということで、党執行部の責任問題が議論になる可能性がある。