医療費が高額になった患者の自己負担を抑える高額療養費制度の見直しについて、政府は物価や賃金の上昇を踏まえ、ことし8月の負担上限額の引き上げは予定どおり行う一方、来年8月以降の制度の在り方は改めて検討し、ことし秋までに決定するとしていた。しかし、立憲民主党などの野党・がん患者らが引き上げの凍結を強く求めていることに加え、与党の参議院側を中心に「国民の理解が十分に得られていない」としてさらなる見直しを求める意見が出ていたことから政府内で対応を協議してきた。その結果、ことし8月の引き上げを見送り、制度の在り方を再検討する方針を固めた。具体的な対応は来年8月以降の制度の在り方とあわせて検討し、ことし秋までに結論を出したいとしている。午前の参議院予算委員会で石破総理大臣は「今の時点で決まっているものではない」と述べていた。一方、政府与党内では引き上げの見送りに伴う新年度予算案の取り扱いについても慎重に調整が進められている。石破総理大臣としてはきょうにもがんや難病の患者団体と面会し意見を交わしたい考え。