石破総理大臣は訪問先のフィリピンでマルコス大統領と会談し、安全保障関係の強化で一致した。石破総理はフィリピンと海洋進出を強める中国を念頭に関係の強化を確認したほか、ベトナムでも防衛協力の強化で一致し、案税補償の分野で一定の成果をあげた。また、両国とトランプ関税をめぐり協議し、自由貿易体制の重要性を確認した。ただ東南アジアの国を訪れるのは年明けに続いてのことで、関係改善を確実にしたい中国や、ウクライナ情勢をめぐり緊迫するヨーロッパ諸国への訪問は実現していない。政府与党内からは「東南アジアばかり行っても仕方がない。石破外交の全体像や戦略が見えてこない。」などと厳しい指摘も出ている。国内に目を転じると減税を求める声が高まっている経済対策をどうするかなど課題が山積みなうえ、東京都議会議員選挙と参議院選挙が待ち構えている。アメリカとの2回目の関税協議も行われるなか、外交内政の両面で石破総理は難しい舵取りが求められる。