小笠原諸島の硫黄島では昭和20年2月〜3月にかけて日米両軍による激しい戦闘が行われ、米国側は約6800人、日本側は2万1900人が戦死した。関係者によると、戦後80年にあたって戦没者を慰霊するため、4月に両陛下が硫黄島を日帰り訪問される方向で検討が進められているという。島には旧日本軍の戦没者を祀った慰霊碑と日米両軍の犠牲者を祀った慰霊碑があり、上皇ご夫妻も戦後50年にあたって沖縄や被爆地の広島、長崎などへの慰霊の旅をした前年の平成6年に自衛隊機で硫黄島を訪問し、2つの慰霊碑に花を供えるなどして戦没者の霊を慰められた。天皇陛下はおととし記者会見で、お2人からこの時のことをいろいろ聞いているとした上で、「大変、悲惨な戦闘が行われ、また、多くの方が亡くなられたことを私も本当に残念に思っておりますし、このような硫黄島も含めて日本各地で様々な形で多くの人々が亡くなられている」「こういった戦争中の歴史についても私自身、今後ともやはりいろいろと理解を深めていきたいというように思っております」と述べられていた。戦後80年のことしは戦没者慰霊などのため、広島、長崎、沖縄への訪問も調整されている。