天皇皇后両陛下は戦後80年のことし、戦没者の慰霊などのため各地を巡られる見通し。両陛下があす初めて訪問されるのは、小笠原諸島の硫黄島。東京都心からおよそ1200キロ離れた玉砕の島の1つ。太平洋戦争の末期、空襲の中継地として島を必要としたアメリカ軍と、迎え撃った日本軍守備隊による激しい地上戦になった。守備隊は1か月余り持ちこたえたものの全滅し、日本側はおよそ2万1900人、アメリカ側もおよそ6800人が戦死した。島民が強制的に疎開させられる中、軍属として徴用されるなどした男性が島に残され命を落とした。今回の訪問には、元島民の子孫も同行する。麻生憲司さん。島に残った親族は戦闘で命を落とし、麻生さんの一族など元島民は、今も不発弾処理や火山活動などを理由に島への帰還が認められていない。硫黄島帰島促進協議会の会長だった父親の康次さんは平成6年、上皇ご夫妻が硫黄島を訪問された際に同行していた。麻生さんは今回、同じ役割を務める。両陛下はことし、沖縄、広島、長崎も訪問される見通しで、上皇ご夫妻が巡られた戦後50年の旅と重なる慰霊の旅になる。