去年11月に神栖市長選挙があった。新人の木内敏之氏と当時の市長・石田進氏が激しく争った。結果は同数だった。公職選挙法の規定でくじ引きを行った結果、新人の木内敏之氏が新たな市長に決まった。ところが、この結果に納得いかないのが石田氏。まずは神栖市選挙管理委員会が投票用紙を点検し、結果は同数のままだった。諦めきれない石田氏は、茨城県選挙管理委員会に異議を申し立てた。2度目の結果は、すでに市長としての活動をはじめていた木内氏の当選は無効となった。石田氏を市長当選となった。異例の事態をうんだのは、2枚の投票用紙だった。神栖市は人口9万2856人の街。木内氏の実家は、神栖市にある創業120年以上の和菓子店。木内氏は去年の5月までこの会社の役員だった。看板商品は、まんじゅうと串団子だった。当落のカギを握る2枚の投票用紙に書かれている「まんじゅうや」「だんごさん」が神栖市民の間で、木内氏をさすと認知されていたのかどうか。それが最大の争点となった。神栖市選挙管理委員会は、「まんじゅうや」「だんごさん」は木内氏をさし示すものとした。一方、茨城県選挙管理委員会は、木内氏の通称として広く使用されていると認めるに足る証拠はないとした。木内氏は真っ向から反論した。今年5月木内氏は、県選管がくだした当選無効の取り消しを求めて、東京高裁に提訴した。そこで主張したのは「木内は木内製菓を通じた屋号で、多くの市民から“まんじゅうや”と呼ばれるようになったのである」。さらに、神栖市選管は木内氏の屋号が「まんじゅうや」であることを選挙前に知っていたと主張した。しかし、東京高裁は「まんじゅうや」「だんごさん」は無効と判断した。木内氏は最高裁への上告へ打って出た。
