滋賀・伊吹山の麓、伊吹地区で繰り返し発生する土砂災害の理由について。温暖化があって、シカが急増して山の草を食べ尽くして、そうすると土砂崩れを引き起こす。温暖化のほかにも新型コロナウイルスの感染拡大によって人出が減ったことがシカの食害に拍車をかけたとみられている。専門家や市によると、コロナの感染拡大によって一時期、伊吹山を訪れる観光客や登山客は減少した。ちょうどそのころ伊吹山では土壌の浸食が進んでいることが確認されていて、人間が遠ざかったことによりシカの行動範囲が広がった結果ではないかと考えられている。シカが土砂災害を引き起こすような事例というのは伊吹山以外でも起きてるのかについて。住宅に土砂が流れ込むような大規模な災害を起こしたのは伊吹山のシカが全国で初めてとみられている。ただ、シカによる食害は全国各地で問題になっている。環境省によると、全国のニホンジカの個体数はこの30年で約9倍に増えていると推定されている。その結果、福井県の轆轤山では斜面の草が食べられ、土がむき出しになっているという事例も報告されている。効果的な対策については、滋賀県は谷川に土砂が流入するのを防ぐための緊急対策として石を詰めた袋を設置し、石で土砂をせき止めるような形。下流ではこちら流れ出た土砂を受け止めるための砂防えん堤と呼ばれる構造物にたまった土砂を取り除くといった対策も施した。また、より根本的な対策として植物をネットで覆いシカから守る方法や、センサーでシカを感知して捕獲するわなも設置している。このほかすでに土がむき出しになってしまった斜面に草を植えるといった対策も進めている。伊吹山のような状態になってしまうと元に戻すには莫大な費用と時間がかかるため、行政の積極的で迅速な対応は不可欠と感じたという。