大手商社・三菱商事は、洋上風力の普及に向けて国が重点的に整備する区域に指定した千葉県と秋田県の沖合の3つの海域で中部電力の子会社などと事業体を作って洋上風力発電を計画している。これについてきょうオンラインで開かれた決算会見で、三菱商事・中西勝也社長は「資材費や人件費などが高騰し当初の計画では事業の採算が取れなくなっている」と説明。そのうえで計画全体を見直す考えを明らかにした。事業からの撤退の可能性を問われたのに対して中西社長は「運転開始時期の延期も含めて現時点で明言できない」と答えた。会社では洋上風力発電事業に関連して去年4月〜12月までのグループ全体の決算で522億円の損失を計上したと発表。千葉県と秋田県沖の洋上風力発電を巡っては、中部電力も去年4月〜12月までのグループ全体の決算で179億円の損失を計上していて事業の進捗が不透明な状況になっている。