高額療養費制度の負担上限額をめぐる議論について田中泰臣氏が解説する。予算案成立の目処はついたが、政策をスムーズに実行していくには年度内に成立させることが大切。来月2日までの衆院が通過すると年度内に自然成立するが、今の状況では厳しい。立憲民主党は高額療養費上限額引き上げの凍結を始めとする予算案の修正を徹底して求め、党としての存在感を示したいものと思われる。ただ今日の協議では高額療養費制度については折り合いが付けられなかった。高額療養費制度は医療費が高額になったときに自己負担をおさえるもので、定められた上限額を超えた場合に差額を支給するというもの。見直しは上限額を引き上げるもの。背景には高齢化などで医療保険の財政が悪化していることがある。来年8月から再来年にかけて、年収の区分を細かくし段階的に上限額を引き上げるとしている。ただしこれは見直しを求めるがん患者らの声を受けて一部修正された。