東京の化粧品会社に勤務していた河上陽子(仮名)は手相を勉強しているという男性から話しかけられ、手相を見せた。男性曰く、人を幸せを導く特別な力があるが、何かが障害になっていて最大限に発揮できていないといい、陽子は「何かを選択し、決断する自信がない」と吐露した。男性は陽子に「あなたは今、人生の転換期」と話し、姓名判断を受けてみることを勧めた。社会心理学者の西田公昭氏によると、かつての旧統一教会は対象者を褒誉した上で問題意識などを聞き出し、「人生の転換期にある」とささやいていた。元信者の女性は自立したい、決断できる人間になりたいと思っていて、男性からの言葉を受け、「今が変わる時」と背中を押された気がしたという。
陽子は勧められた姓名判断を受けると、「あなたが変われば、家族は救われる」と言われた。使命感のようなものを抱いた陽子は5万円を支払って講習を受け、後に宗教の勧誘だと知った。旧統一教会を相手に長年に渡って裁判を戦ってきた郷路征記弁護士は「教育によって認識を変え、自主的に選択したように思わされているから、信者は自分で選んだといつまでも信じている」などと語った。陽子は退職し、全国をワゴン車でめぐりながら物売りをする活動に従事した。この販売活動の実態は教団の資金集めで、目標金額も設定されていた。「神のものを買うとその人の救いの条件になる」と教えられた信者は活動によって人々を救済できると信じ、善行のためであればと嘘偽りも駆使したという。
陽子は教団から選抜され、合同結婚式に参加。結婚相手は好みではないと感じるも、否定的な考えを振り払い、結婚を受け入れた。その後、陽子は親族に教団の教義をレクチャーしたが、理解は得られなかった。牧師との出会いを通して、信仰に疑いを持つようになった陽子は教団の文献、資料に目を通し、自らで思考するようになった。教団への違和感を覚え、「自分はウソをつかれていた」と思い至った。西田公昭氏は「人を恐怖に駆り立て、束縛するのは健全な宗教ではない」と指摘する。元信者は「自分の考えよりも旧統一教会の教えを優先してしまった。判断を人にゆだねてしまったところに問題があるので、自分の頭で検証するとか、慎重に考える、すごく大事だと思う」と語った。2004年に旧統一教会を提訴し、12年に勝訴。旧統一教会が控訴するも、高裁が棄却。双方とも上告せず、2013年に判決が確定。
陽子は勧められた姓名判断を受けると、「あなたが変われば、家族は救われる」と言われた。使命感のようなものを抱いた陽子は5万円を支払って講習を受け、後に宗教の勧誘だと知った。旧統一教会を相手に長年に渡って裁判を戦ってきた郷路征記弁護士は「教育によって認識を変え、自主的に選択したように思わされているから、信者は自分で選んだといつまでも信じている」などと語った。陽子は退職し、全国をワゴン車でめぐりながら物売りをする活動に従事した。この販売活動の実態は教団の資金集めで、目標金額も設定されていた。「神のものを買うとその人の救いの条件になる」と教えられた信者は活動によって人々を救済できると信じ、善行のためであればと嘘偽りも駆使したという。
陽子は教団から選抜され、合同結婚式に参加。結婚相手は好みではないと感じるも、否定的な考えを振り払い、結婚を受け入れた。その後、陽子は親族に教団の教義をレクチャーしたが、理解は得られなかった。牧師との出会いを通して、信仰に疑いを持つようになった陽子は教団の文献、資料に目を通し、自らで思考するようになった。教団への違和感を覚え、「自分はウソをつかれていた」と思い至った。西田公昭氏は「人を恐怖に駆り立て、束縛するのは健全な宗教ではない」と指摘する。元信者は「自分の考えよりも旧統一教会の教えを優先してしまった。判断を人にゆだねてしまったところに問題があるので、自分の頭で検証するとか、慎重に考える、すごく大事だと思う」と語った。2004年に旧統一教会を提訴し、12年に勝訴。旧統一教会が控訴するも、高裁が棄却。双方とも上告せず、2013年に判決が確定。
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URL: http://www.ris.ac.jp/
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