米中貿易の焦点となったのはアメリカのボーイングとみられる。それぞれが115%関税を引き下げたものの、ブルームバーグによると中国当局はボーイング機の納入停止措置を解除したとの情報もある。ボーイングはアメリカ経済の要であり、中国側は輸入を規制することで経済へ影響を与えようとしていたものとなる。1916年にシアトルで創業したボーイングは戦時中はB-29を生産するなどしていて、現在15万人乗従業員を抱える大企業となっている。また、世界でこれまで納入された民間機はヨーロッパ4国の共同出資企業・エアバスが1万6000台、ボーイングは2万5000機、中国メーカーは国内を中心に170機程度となっている。しかし、ここ数年ボーイングはエアバスにシェアで負けている状況となっている。ボーイング最新型の「ボーイング777X」は翼を折り曲げる事ができるのが特徴であり、翼は大きいほど燃費が良くなる一方で、翼が大きすぎると駐機場に収まらないことがあり、この試みにより片翼につき3.5mも翼を大きくすることに成功した。ボーイングは11兆円以上の経済への貢献が期待され、間接的な人数を含めると160万人もの雇用を創出するのだという。今年もボーイングは中国に50機を納入予定だといい、鳥海高太朗氏は顧客を失う懸念の後退はアメリカ経済とって非常に大きいのではないかとコメントしている。