約7時間後に迫った第101回箱根駅伝。前回大会、特別な思いを胸に箱根を駆けた選手がいた。石川県加賀市出身、久保出雄太。大会直前大地震に見舞われたふるさとに勇気を。前を向いて走り続けることができたのは恩師の言葉にあった。久保出が箱根駅伝に憧れたのは高校生の頃、コロナ禍で大会がなくなり、大学でも陸上を続けたいと思い城西大学へ入学。しかし高校時代に目立った実績がなく入部条件のタイムにも届かなかった久保出は駅伝部に入ることすらできず。それでも夢を諦めず同好会に所属。日々練習に励んだ。やがて久保出の努力が城西大学男子駅伝部・櫛部静二監督の目に留まり、2年への進級とともに駅伝部への入部が認められた。夢の舞台、箱根へ。その強い思いで入部後もメキメキと成長。ついに去年箱根駅伝のメンバー入りを果たした。ところが本番2日前、予期せぬ出来事が。ふるさとの石川県を襲った大地震。それでも復路のスタート地点芦ノ湖には久保出の姿が。不安を取り除いてくれたのは櫛部監督からの一本の電話だった。今の自分にできるのは走ること。その姿でふるさとに元気を届ける。見る者に勇気を与える久保出雄太の走り。久保出の力走もあり、城西大学は史上初の3位で終えた。恩師に支えられて駆け抜けた箱根。今年は大学生活集大成の走りを。その久保出選手は1区にエントリーしている。第101回箱根駅伝往路は1月2日朝7時から。