ドイツでは、ショルツ首相率いる連立政権が今月上旬、財政政策などを巡る政権内の対立で崩壊し、来年2月下旬に議会選挙が行われることになった。こうした中、与党で中道左派の社会民主党は25日、幹部の会議を開き、選挙戦で党の顔となる首相候補にショルツ氏を指名した。ショルツ首相を巡っては、指導力不足などが批判され、世論調査での支持も低迷していたことから、党内からは人気の高いピストリウス国防相を推す声が上がっていたが、本人は辞退を申し出ていた。党の幹部は会見でショルツ氏を選んだことについて「行政経験が豊富で、ロシアによるウクライナ侵攻への対応など、難しい課題に直面するドイツのかじ取り役に適任だ」と説明している。来年2月の議会選挙に向けては、公共放送ZDFの世論調査で、与党・社会民主党は支持率が16%にとどまっているのに対して、最大野党で中道右派のキリスト教民主社会同盟が32%と首位に立っている。このためショルツ首相が与党を勝利に導けるのか、あるいは最大野党が政権交代を実現するのか、焦点となっている。
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