秋田・大館市にある「ニプロハチ公ドーム」は地元産の秋田杉にこだわった木造のドーム施設として、世界最大級を誇る。オープンから25年以上経った今、ここが街に新たな価値を生む施設として期待されている。取材日に行われていたのは第26回大館トーナメント大会。ドームに設置されたAIカメラによるライブ配信が新たに始まったという。カメラはキャッチャー側に1台、センター側に1台ある。これに搭載されたアルゴリズムが試合状況を把握し、自動で映像を切り替え、無人でも臨場感のある中継がパソコンなどで視聴できる。AIカメラによるライブ配信に対応する競技は16競技。これまで映像化されてこなかった地域スポーツの配信はチームだけでなく、競技自体を身近にする効果がある。今後は映像に地場企業の広告や応援広告を掲載、地域コミュニティの活性化を図るなど新たな付加価値の創出を狙っている。地域住民が普段使用する施設をスマートスタジアムに進化させることで観光資源となり、地方創生の新たな可能性として期待されている。