去年12月に開かれたアマチュアの神戸市民交響楽団のコンサート。指揮をしたのは難病と闘う35歳の男性。兵庫・芦屋市に住む岸本竜太郎さん。去年夏、ALSと診断された。全身の筋肉が徐々に動かなくなり、最終的には自力での呼吸も難しくなる難病。足が震えて歩きづらくなり通勤が難しくなってきたためいまは在宅勤務に切り替えている。子どもが投げたボールを以前のようには受け止められない。成長していく子どもたちの世話をできなくなっていくのがつらいと感じてる。中学生から音楽を続けてきた岸本さん。大学卒業後、会社員になってからもアマチュアオーケストラでクラリネット奏者や指揮者として音楽とともに暮らしてきた。仲間から毎年恒例の演奏会の指揮を頼まれた。本番3週間前、初の音合わせ。生の音に触れるのは久しぶりだという。演奏会本番、無事演奏は成功した。岸本さんは「体が動かなくなるその瞬間までは頑張りたい」と話した。