アメリカのトランプ大統領が2日に発表した相互関税の税率の算出方法を巡り、疑念が持ち上がっている。ホワイトハウスは、各国の関税率や非関税障壁なども考慮したと説明したが、USTRアメリカ通商代表部は、事実上、貿易赤字の額と輸入額に基づき算出したとする資料を公表し、政権内での説明の食い違いが表れている。トランプ政権は2日、日本を含むおよそ60の国や地域を対象に、相互関税を課すことを明らかにし、日本には24%の関税を課すと発表した。この発表にあたり、ホワイトハウスは日本の46%など、アメリカがそれぞれの国と地域から実質的に課されているとする関税率の算出について、各国や地域の貿易赤字や関税率、それに非関税障壁を根拠として考慮したと説明した。一方、USTRが公表した計算式によると、アメリカ国勢調査局の2024年の輸出入のデータを使用し、対象となる国や地域に対して、アメリカが抱える貿易赤字の額を、その国などからの輸入額で割る式となっている。計算式では、分母に2つの係数をかけることになっているが、この係数はあらかじめ数字が決まっていて、事実上、貿易赤字の額と輸入額のみに基づいて算出したことになる。USTRは、資料で各国の膨大な数の関税や規制、税制などを個別に計算することは複雑だとしていて、政権内での説明の食い違いが表れている。