茨城の観光PRのために生まれた「いばらき若旦那」のデビューまでの道のりに密着した。先週、県の記者会見で観光PRの応援隊として任命された。茨城県内の旅館やホテルで働く13人の若旦那の中から6人が選抜された。懐かしさと親しみやすさをモットーに昭和歌謡ユニットを目指している。夢は紅白出場歌手、純烈の皆さんとの共演。去年、県内の旅館で働くおかみをカードにしたところ全国で話題を呼び、県内への観光客が増えた。魅力度ランキング全国最下位の茨城県。おかみでできた流れを逃すまいとことしの新たなキャンペーンとして若旦那に注目した。「いばらき若旦那」のメンバーの1人でステージトークを担当している石川博一はふだん、水戸市内にあるホテルの支配人を務めている。水戸市にある老舗旅館に生まれ学校を卒業後は東京でグラフィックデザイナーの仕事をしていた。そうした中、実家の旅館やホテルが東日本大震災で被災し復興作業を手伝いた。家族のいるふるさとに戻り父親のホテルを継ぐことを決意。しかし、再び大きな出来事が。コロナ禍でこれまでにない苦境に立たされた。目の前にいるお客さんは当たり前ではない。それを痛感したからこそいばらき若旦那としての挑戦を決めた。記者会見のおよそ1か月前。初ステージに向けて最初のダンスレッスンが行われた。ホテルや旅館での仕事を終えて集まれたのは夜10時過ぎ。カラオケの経験はあるものの全員、歌いながら踊るのは初めて。初ステージまでは僅か2週間。4分を超える曲の振り付けを2時間で体にたたき込む。ふだんの仕事で忙しい若旦那たちは空いている僅かな時間を見つけ練習に励みた。迎えたデビューイベント当日。ステージにはSNSでグループの存在をいち早く知ったファンたちおよそ200人が集まった。練習のかいあってダンスの振りもタイミングもばっちりだった。その後の初めてのサイン会には長蛇の列が、茨城を知ってもらい足を運んでほしい。茨城を盛り上げるためステージに立ち続ける。