国の史跡に指定されている丸亀市の前方後円墳「快天山古墳」の石の棺、石棺のふたに新たなひびが見つかったため、市の教育委員会は75年ぶりにふたを外して、保存や整備に向けて詳しい調査を行うことになった。丸亀市綾歌町にある国指定の史跡、「快天山古墳」は、4世紀中頃の前方後円墳で、後円部には石をくり抜いて造られた3つの石棺が埋められている。昨年度の調査でこのうちのひとつ、「3号石棺」のふたに新たなひびが見つかったため、市の教育委員会はふたを外して保存や整備に向けて詳しい調査を行うことになった。石棺のふたが開けられたのは75年ぶりで、市の委託を受けた奈良県の元興寺文化財研究所の職員らが慎重にクレーンでつり上げて運び出しした。史跡快天山古墳保存整備委員会の丹羽佑一委員長は「今後の保存整備の方法を検討するうえでポイントになる作業だったので成功裏に終わり、非常に満足している」と話す。快天山古墳では来月23日に一般向けの現地説明会が開かれ、ふたを外した状態の石棺を見学できる。