コメ問題はきょうの予算委員会でも取り上げられた。先月のコメの小売価格は1年前の約2倍で5キロあたり4,000円を超えている。このコメ価格高騰の背景にあるのが「消えた21万トン問題」。去年日本全国のコメの収穫量は前年より増加していたにも関わらず、集荷業者に集まったコメは約21万トンも減っていた。本来なら生産者が収穫したコメはJAなどの集荷業者が買い取り、その後卸売業者→小売店を経て消費者に届く。しかしこの流れが変わってきている。話を聞いたのは沖縄県・石垣島の生産者。二期作が行われている石垣島では5月頃にコメが収穫されるが「本土からの引き合いがかなり強い」という。農家はいつもより多くの稲を植えて対応するほどの買付ラッシュが起きていた。都内の卸売業者も異変を感じていた。サプライズ・マスダの増田さんは去年10月、毎年取り引きしている農家に新米の買付を相談すると「稲刈り前だからわからない」と言われ、1ヶ月後に再度確認すると「もうない」と言われたという。結果的に例年の6分の1の量しか確保できなかったという。では集荷業者や卸売業者を介さずに生産者からコメを買ったのは誰なのか。茨城県の農家のもとには去年、スーツ姿の男性が突然現れ「おコメが足りないので50トン譲ってくれ」と直談判。農家は30トンを販売。10トンあたり408万円で取引が成立した。これを5キロに換算すると約2,000円。コメが値上がりする前の店頭価格ほどの値段。買い手の正体は茨城県内でフランチャイズの焼肉店などを展開する企業の関係者だった。さらに卸売業者の増田さんも「IT業界や鉄くず業者が買いに来たりすると聞いた」と証言する。登記目的などの目的で高値で買付け、市場からコメが消えてしまったという。こうした事態を受け政府は21万トンの備蓄米を市場に放出することを決定した。農水省は先ほど、集荷業者などを対象に備蓄米放出についての説明会を行った。午後2時時点で200人以上が参加を申し込み、販売数量・価格・引き渡しまでのスケジュールなどが説明されたという。備蓄米は早ければ来月下旬にスーパーなどの転倒に並ぶとみられるが、コメの価格は本当に安くなるのか。
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