最近は、物価高の影響から身近な豚肉を選択する人が増えている。よくある豚肉の調理法にも、やりがちなうっかり行動が潜んでいる。「豚の生姜焼きは焼く前に調味料に漬け込む」「豚の冷しゃぶサラダは沸騰したお湯で茹でる」「豚肉の野菜炒めは弱火でじっくり」の中にあるうっかり行動は?教えてくれる料理科学研究家の水島弘史さんは、科学的調理理論を取り入れ大学や企業の研究所への情報提供も行っている。「豚の生姜焼き」は、塩分を含んだ調味料に漬け込んだ場合、浸透圧の影響で水分が肉の外へでてしまいパサパサになる可能性が高い。調味料は調理中に加えるとジューシーに仕上がる。漬け込まないため調味料の量も少なく節約が可能。事前につけるべきなのは小麦粉や片栗粉。旨味や水分を閉じ込めて調味料がよく絡む効果も。「豚の冷しゃぶサラダ」は、一気に加熱すると豚肉のタンパク質が硬くなり味が落ちてしまう可能性がある。水の状態から茹でると柔らかく仕上がる。アクが出て3分経ってから取り上げれば予熱で火も通り美味しく仕上がるという。「豚肉の野菜炒め」は、弱火でじっくり炒めると肉はやわらかく野菜の食感も残って美味しく仕上がる。家庭のコンロの火力は、中国料理店のコンロと比べると弱いので、同じような作り方をしても上手くいかないという。まとめて作ることが多い「豚の角煮」は、冷凍することで肉の中に氷の結晶ができ、繊維を壊すので解凍後はホロホロの状態になるという。
住所: 東京都新宿区若松町19-1