社会部災害担当の及川記者と伝える。さまざまな取り組みを通じて予測の精度が上がってきたということ。線状降水帯の発生を事前に予測できない、いわゆる見逃しはこれまでより減ることが期待できそう。気象庁によると、見逃しはこれまでの精度では3回に2回程度は起きると予測されていた。ことしからは想定上は2回に1回程度まで抑えられるとしている。一方で正確な予測がまだまだ難しいのが現状。発生すると予測されたが、実際には起きなかった空振りとなるおそれもある。先月下旬に九州から東海にかけての地域と奄美地方に発生の予測情報が発表されたが、結果、線状降水帯は観測されなかった。なかなか事前に正確に予測するというのは難しいとはいえ、過去の被害を考えると、やはり情報が発表された際には危機感を高めておくということが必要になりそう。まず事前に発生が予測された場合、気象庁は半日程度前に情報を発表する。その場合には土砂災害や氾濫のおそれはないのか、お住まいの地域の災害の危険性をハザードマップで確認したり、避難場所や持ち出し品を確認したりするなど備えを進める。そして線状降水帯が発生した場合、気象庁は顕著な大雨に関する情報を発表して、NHKでも放送やインターネットなどで伝える。この情報を見聞きした際には、災害の危険度が急激に高まっていると考える。崖や川の近く、低い土地にいる場合などは危険な場所から離れるなどといった行動を取ることが必要。過去の取材でも大雨で被災した方から「過去に被害がなかったから大丈夫だと思っていたが、気が付いたら危ない状況になっていた」という話を何度も耳にしてきた。大雨による被害は年々激しさを増していて、地球温暖化を背景に線状降水帯のような極端な現象も増えるおそれが指摘されている。今までは大丈夫だったから今後も大丈夫と言い切れない事態が起こりうると受け止め、線状降水帯などに関する情報を見聞きした際に命を守る行動がとれるよう今のうちに備えを進めてほしいと思う。