過去に被害を受けたところが液状化することを再液状化というがこれを防ぐため東日本大震災で被害を受けた千葉市では地域全体で対策を進めている。千葉市美浜区は1600棟余りの住宅で液状化の被害が出た。磯辺地区に暮らす小川逸郎の自宅も庭から砂や水が噴き出し住宅が傾いて半壊した。この地区では行政と住民が連携して再液状化を防ぐ対策を進めてきた。地下水位低下工法と呼ばれる地盤改良工事。地下水位が高いため液状化のリスクが高かったこの地区。周辺からの地下水が流れ込まないよう地域全体を囲むように鉄の板を埋め込む。そのうえで市道の下には特殊な排水管を設置して地下水を排水。地区全体の地下水位を低下させることで液状化を起きにくくする効果が期待できる。雨だったこの日も設置した配水管から大量の水が、地盤改良は市が国の復興交付金を活用して22億円かけて行われたため工事に関する住民負担はなかった。しかし、こうした地盤改良はすべての地域でできるわけではない。地域ごとの液状化リスクをこれまでより詳しく明らかにしようと新たなハザードマップの作成が進められている。震度6弱の揺れのときにどの程度、液状化が起きやすいのかを表した地図をみると、これまでより地域ごとのリスクを詳しく知ることができる。液状化の被害からの復興は決して簡単ではなく今、見たような地盤改良工事などの対策もこれもすぐにできるものではない。まずは自分の住んでいる地域のリスクを知って自分にできる備えから始めたいと感じる。そして能登半島地震から半年、首都圏に暮らす私たちにも災害が起きたときに何ができるのか教訓は何なのか考え続ける必要があると感じている。