埼玉・羽生市にある創業70年を超えるアイス店。看板メニューは牛乳と砂糖のみで作るやさしい味わいのアイスで、この地域の夏の風物詩にもなっている。廃業の危機を乗り越え、地域の人に愛され続けてきたふるさとの思い出の味を取材した。埼玉県羽生市にあるアイス店、創業は昭和26年。看板メニューは73年変わらぬ「牛乳アイス」。もともとは牛乳販売店だった。余った牛乳で作ったアイスが評判になった。夏前後の時期にしか開かないことから幻の店とも呼ばれ、地元で愛され続けてきた。3代目店主・別井勝さんはもともと、市内で別の牛乳販売店を営みこの店と直接関わりはなかった。コロナ禍の2020年5月、店が開かず心配して訪ねたところ2代目・長谷川節子さんから廃業を告げられた。長谷川さんから「あんた、やるかい?」と声をかけられ、半年以上悩んだが最終的に長谷川さんの申し出を受けることを決意。連日、長谷川さんのもとに通いアイスづくりを学び試行錯誤を重ねオープンした。長谷川さんは去年、亡くなった。コーヒー牛乳味は客のリクエストに応えて考案したもので先代の長谷川節子さんのお気に入りだったという。今は通年営業に変更している。