中国・北京から中継。中国では全人代が開幕。今回の全人代の注目ポイントは低迷する経済の立て直し。李強首相は今年の経済成長率の目標を「5%前後」と去年と同じ水準に設定した一方、演説の中では「中国経済の持続的に回復する基盤はまだ盤石ではない。成長期待が相対的に低く、リスク要因が依然多くある。」と危機感をにじませた。また、経済を押し上げるために「財政政策を最大限に活かす」とし、今年約21兆円の「超長期特別国債」を発行すると表明した。しかしある日中外交筋は「具体的な使い道も示されていなく、全体的に経済政策が煮詰まっていない印象。これで本当に5%の成長が可能なのか」と疑問の声を漏らす。また、急速な外国企業の”中国離れ”が深刻化する中、李強首相は中国に投資することを「ブランド化する」と打ち出した。しかし「反スパイ法」など、外国企業の懸念を払拭する具体策はなかった。李強首相が全人代後恒例の記者会見を取りやめた理由について、日本政府関係者は「李強首相が習主席の意図しないことを発言するリスクを恐れたのでは」と指摘している。前首相・李克強氏が4年前の首相会見で「中国では6億人が月収2万円以下」と発言し、習主席が強調していた「脱貧困」の成果と食い違っているのでは?ということが話題となった。首相に対し外国人記者も質問できる唯一の定例の場だったが、失言などのリスクを回避した形。