被災した地域ではなりわいの再建に向けて厳しい状況が続いている。輪島塗などに使われる木材を加工する木地師の蔵田満さん。地震で被害を受けた建物を修繕し事業を再開したが、去年9月の豪雨で再び被害を受けた。なんとか泥などはかき出したが、作業できる量は地震前の半分に満たないという。輪島市の商工会議所は先月加盟する204の輪島塗を含めた漆芸に携わる事業者を対象にアンケート調査を実施。「地震や9月の豪雨災害を経て今、事業を行っている」と回答したのは6割ほどにとどまったという。こうした中、遠く離れた場所から支援を行っている人がいる。漆塗り作家・加藤那美子さんは去年11月、交流のある木地師の蔵田さんたちに会いに輪島市を訪れた。これまでに募金などを送ったお礼として漆器作りに欠かせない手作りのへらを渡された。輪島から戻った加藤さんは仲間と共にみずからの作品などを販売し収益の一部を被災地に送るチャリティー販売会を開催した。