自民党総裁選が終わった。石破茂は5度目の出馬でようやくつかんだ総裁の椅子。その座り心地について語った。しかし地元鳥取の盛り上がりは尋常ではなかった。決選投票での勝利が決まった瞬間、妻・佳子も信じられないという表情。支援者と喜びを分かち合い、ほっぺたをつねって夢ではないことを確認。1回目の投票では高市早苗がトップだったが、決選投票で大逆転。これに地元の支持者は9回ウラ2アウト満塁ホームランと表す。ではなぜミラクルは起きたのか。政治ジャーナリスト・田崎史郎は「高市になったら外交関係がめちゃくちゃになるという懸念があったから」と話す。また派閥の締め付けがなくなったことも石破の票が増えた要因になっていると田崎は話す。慶応大学卒業後、銀行員を経て、当時最年少29歳で衆院選挙に初当選。依頼38年、当選12回、自民党幹事長や数々の大臣ポストも経験。顔はずいぶん変わったが変わらないのは地元での人気ぶり。きのう夜、地元のスナックは石破の支持者たちで大いに盛り上がった。石破のどこが好きなのか。総裁選から一夜明けたきょう、鳥取市内にある石破の事務所にはたくさんの胡蝶蘭が届いていた。その後もトラックから続々と胡蝶蘭が届けられ、ほかにも大きな鯛を届ける人などお祝いに訪れる人が後を絶たない。しかしお祭りムードもここまで。待っているのは新たな体制づくり。これまで独自路線を歩み党内基盤が脆弱とされる石破。敵も多いとの声も聞こえるが、決選投票前の演説でこれまでの至らなさを謝罪。果たして自民党は一枚岩になれるのか。まず注目されるのは人事。どんな顔ぶれが要職に起用されるのか。そして野党とどんな論戦が繰り広げられるのか。月曜、立憲民主党の代表となった野田佳彦。腕が鳴ると話していた。変わりゆく季節、永田町の景色も大きく変わることとなる。