政府は当初、年金改革法案について、今月上旬に衆議院に提出する予定だった。おととい石破茂総理大臣は、年金改革法案を今の国会で審議すると明言したばかりだった。なぜ重要な年金改革法案の期限までの提出を見送る予定なのか。自民党閣僚経験者は「生煮えの法案を出してもこっちがたたかれるだけだからな」とコメント。自民党内には夏の参院選への影響を懸念する声が上がっている。年金改革法案の柱は全国民が受け取る基礎年金を底上げするため、会社員などが入る厚生年金の積立金を使うというもの。これには厚生年金の流用だという批判もあり、現役世代の理解が得られていないという指摘もある。こうした状況から有権者の負担が増える年金制度改革は夏の参院選の後に「先送りした方がいい」という意見が参院側を中心に相次いでいる。