ロシアの侵攻が続いているウクライナについては分岐点に立たされている。トランプ氏に次々と祝意が寄せられる中、ゼレンスキー大統領も祝意を伝え世界情勢に対する力による平和というトランプ氏のアプローチを称賛したといわれる。ウクライナでは実に多くの米国政府高官がバイデン政権の任期終了までにウクライナへの軍事支援をできるだけ多く確保しようと懸命に取り組んできた。しかし、バイデン政権が退場したあとウクライナへの支援について、その方針を引き継ぐ人物は今いない。ウクライナとロシアを交渉のテーブルに着かせればすぐ停戦を実現できるとトランプ氏が発言したのは確か。ただ、前線のある兵士は今後、考えられるシナリオは二つに一つだと語っていた。一つは、米国が軍事支援を縮小してウクライナは無理やり停戦交渉の席に着かされ米国が停戦案を出すというシナリオ。この場合、ロシアはウクライナの全土征服という究極の目標に向かって2〜3年以内に部隊を進軍させるだろうとこの兵士は言う。もう一つのシナリオはプーチン大統領が停戦案を拒否しこれを受けたトランプ大統領が敗色濃厚なウクライナへの軍事支援を強化しようと考えるシナリオ。現時点で、ウクライナの将来の長期的な安全保障を確保するためにどのような保証を得られるかを見極めるのは難しいというのがウクライナ側の議論。ただ、ゼレンスキー大統領は政治的な困難や戦争が思いどおりにいっていない時に対処するコツを心得ている。彼は、こうした状況を利用して同盟国から将来の保証や支援の約束を取り付けようとする。トランプ大統領についても同じやり方をとるだろう。