日暮里を拠点に活動するファッションデザイナー、瀬戸川裕太さんは週に3日は日暮里繊維街に通っている。瀬戸川さんは荒川区が3年前に設けた起業支援施設にアトリエを構えている。デザインコンテストの会場と同じ建物にあり、創業5年未満のファッション事業者のみが入居できて料金は個室タイプで月5万円。瀬戸川さんは繊維街にも近い立地にも引かれてことし2月に入居した。ファッションの専門学校を卒業後、海外の賞も受賞し、2020年にみずからのブランドを立ち上げた。現在は注文を受けた分だけを少量生産するスタイルだが、今後は販路を広げてブランドを成長させたいと考えている。施設では月に2回、ファッションやビジネスの専門家との面談が受けられる。この日は海外でファッションのマーケティングに従事していた専門家から売り上げを伸ばすためのアドバイスがなされた。この施設には瀬戸川さんのほかにもリサイクル素材などを利用したニットを手がける人女性のための入浴タオルを製作販売する人など9組が入居している。荒川区はこの施設の運営などに年間2700万円の予算を計上し、日暮里をファッションの街として盛り上げることを目指している。瀬戸川さんはものづくりとファッションを愛する仲間たちと切磋琢磨しながら日暮里発のファッションで世界に打って出ようとしている。