国内大手の製薬会社は、先月、新たに開発した抗菌薬・ナキュバクタムを国に承認申請した。この薬が標的にするのはCRE(カルバペネム耐性腸内細菌目細菌)。免疫が低下した人が感染すると重い肺炎などを引き起こす。ほとんどの抗菌薬が効かず死者が相次いでいるため、WHOでは“最優先で治療薬の開発が必要”な耐性菌に位置づけている。この会社では約15年の歳月と多額の資金を費やした。しかし今、抗菌薬開発で避けられない問題に直面している。開発した薬を使いすぎると新たな耐性菌が生まれてしまうため大量には販売できず、十分な収益が見込めないのだ。今、世界ではファージ療法が注目されている。下水などに存在するファージと呼ばれるさまざまな種類のウイルスを使った治療法。ファージは耐性菌などの細菌に感染するとその菌を破壊する性質を持つ。人の細胞には感染しないため、新たな治療法として期待されている。
