京都御苑の西側にあったとされる旧二条城跡(二条御所)は、織田信長が将軍・足利義昭のために作った居城。ルイス・フロイスによると、信長が陣頭に立ち、わずか七十日間で完成したという。堅固な石垣と堀で守られ、美しく広い庭が備えられていた。秀吉が晩年作庭に関わった総本山 醍醐寺の三宝院庭園に、二条御所に置かれていたという藤戸石が残されている。“天下の名石”とうたわれ、足利義満をはじめ時の権力者たちに受け継がれてきた。当時、細川邸にあった藤戸石を、信長自ら京の町を鳴り物入りで練り歩き、運び込んだと伝えられている。二条御所築城は、将軍家の権威を誇示するとともに、信長の存在を強く印象付けることとなった。
