能登半島地震から5か月。石川県珠洲市の蛸島町のきのうの様子。珠洲市では蛸島町の一部を含めて、今も断水が続く住宅があるなど、思うように復旧が進んでいない。こうした中で、地元と避難先で分かれて生活しながらも、珠洲でもう一度みんなで暮らしたいと願い続ける家族を取材した。珠洲市で育った北濱正義さん。地震後は家族と離れ、避難所で1人で暮らしている。珠洲市にある蛸島漁港では、1月下旬に定置網漁が再開された。この漁港で水産物を運ぶ会社を経営する北濱さんは、地元の漁業を支えるために残って仕事を続けると決めた。地震の影響で同業者は皆、仕事を続けられなくなり、残ったのは北濱さんの会社だけになった。珠洲市出身の妻と結婚し、家族5人で暮らしてきた北濱さん。地震で自宅が半壊し、妻と長女、次男は金沢市のみなし仮設住宅に、小学3年生の長男は「友達がいるので残りたい」と珠洲市内の祖父母の家に移った。3か所に離れて暮らす家族は週に1回、金沢市のみなし仮設に集まる。1か月ぶりに自宅を訪れた北濱さんは、被災した自宅からまだ使える物を運び出した。散乱した家具の中から見つけたのは、家族の思い出の写真。北濱さん「1年後になるのか2年後になるのか分からないが、みんな帰ってくる場所ができればまた一緒に暮らせるのかなとは思う。本当に地震前の何でもない生活に戻りたい」と述べた。