サッカー女子のW杯は明日が決勝。今大会では女子サッカー選手の待遇の改善が進んだ。その先に見据えているのはスポーツ界のジェンダー平等の実現。今大会はチケット販売数が過去最高の150万超えとなった。地元オーストラリアの決勝進出がかかった準決勝の観客数は、7万5000人以上。今大会で大きく変わったのが選手の待遇面。FIFAは賞金総額を前回大会から3倍以上に引き上げた。ベスト8進出の日本選手は一人あたり約1300万円の賞金を受取る。また移動手段、宿泊環境を男女同じ待遇にすることを決めた。さらに社会へのメッセージを込めた8種類のキャプテンマークを用意。なでしこジャパンの熊谷紗希主将が選んだのはジェンダーの平等だった。日本サッカー協会もW杯では今大会から専属シェフ同行など待遇改善を進めている。待遇改善の背景には関係者の長年の努力がある。元ニュージーランド代表のサラ・グレゴリウスさんは、男女の代表チームが完全に平等になるように戦略を練った、交渉には多くの困難な会議がともなった、と明かした。現役引退後、世界の女子サッカー選手の待遇改善の取り組みをサポートしているグレゴリウスさんは、サッカー界の変化を評価しつつも道半ばだと訴える。シドニー工科大学のレイカ・カンジャニナジャド博士は、世界のメディアのスポーツ報道で男性は95%なのに対し女性は5%、女性のスポーツがもっと取り上げられればより多くの人をひきつけられる、等と話していた。