政府はアメリカ側の窓口となった2人の閣僚の発言などから交渉の糸口を探ろうとしている。ベッセント財務長官は著名投資家ジョージ・ソロス氏の投資会社に勤めていたことで知られる「強いドル」の支持を公言しているが最近のインタビューでは「長期的には」という言葉を付け加え態度を軟化させたことが注目されている。日本政府内では「トランプ米大統領の指示があれば貿易赤字解消のためドル安円高を求めてくる可能性がある」と今回の日米交渉でも為替を取り上げるのではないかと警戒する声が広がっている。グリア米通商代表部代表は米空軍の退役軍人という異色の経歴の持ち主。日本政府では「実務を担っていただけあり各国の状況をわかっている非関税障壁なども把握している」と評価する声が多い。グリア氏は農産品の輸出拡大への関心が強く今回の交渉でも農業カードを切ってくる可能性があり農林水産省幹部は「動向を注視する」と身構えている。(読売新聞)