闇バイトによる犯罪が相次ぐ中、警察庁が仮装身分捜査と呼ばれる新たな捜査手法の導入を検討していることが関係者への取材で分かった。SNSなどで行われる闇バイトの募集では秘匿性の高い通信アプリに誘導されたあと、指示役から仕事の応募には身分証明書が必要だなどと提示を求められ送ってしまうと個人情報を理由に脅されて犯行に加担するケースが少なくない。取締りの強化に向けて警察庁が導入を検討しているのは仮装身分捜査と呼ばれる新たな捜査手法とは、捜査員が架空の人物の身分証明書を使い闇バイトに応募し犯行グループに接触する。こうした証明書を偽造することは公文書偽造などの罪に問われるおそれがあるが刑法では法令または正当な業務による行為は罰しないと規定されているため現在の法律の範囲内で対応が可能ではないかとしている。今後は関係省庁と調整し運用指針の策定など必要な手続きを行ったうえで来年にも実施することが検討されている。