先月、都内に住む90代の男性から現金300万円余りをだまし取ったとして18歳の容疑者が詐欺の疑いで逮捕された。現金の受け取り役、受け子として10件の特殊詐欺に関わったと供述した容疑者。きっかけは闇バイトだった。警視庁によると容疑者はことし6月、千葉市内のクラブで初対面の男性に声かけられた。簡単な荷物運びの仕事で金を稼げる。バイク事故で示談金を支払う必要があった容疑者は誘いに乗った。そして、その場で通信アプリのシグナルをダウンロードするよう言われた。シグナルで指示役とつながると免許証を送るよう指示され荷物を受け取る仕事を紹介された。最初に現金を受け取った際、警察の職質に気をつけろと言われたため違法だと気付いた。1件ならまだ引き返せると、指示役にやめたいとメッセージを送った。しかし返ってきたのは「やめるなら代わりの者を探せ」というメッセージだった。容疑者は断ることができず10件の特殊詐欺に関わり合わせておよそ4000万円をだまし取ったという。調べに対し、断ると武装した人が家に来るという話を聞いたことがあった。家族に危害が加わると思ってやめられなかったと供述しているという。ポイントは「闇バイトにいったん加担すると抜け出すのは困難」。指示役は代わりの人間を用意しろ、家族に危害を加える、などと脅してきて抜け出すのは簡単ではない。警察は闇バイトには応募しないこと、応募してしまったとしても、犯罪だと気付いた時点ですぐに相談することが大切だと呼びかけている。