きょうの為替相場の見通しについて、明治安田アセットマネジメントの伊藤弘康が解説。きょうのニューヨーク時間では金の乱高下に伴い、ドル円も少し乱高下し戻ってきている。アメリカのベッセント財務長官は昨日実際の為替介入を否定しており、米国のスタンスは読みにくい状況。注目ポイントは「為替介入の成果とユーロ円」で、2022年の9月と10月、2024年の4月と5月、7月のようなイメージを想定している。今回はレートチェックと言われているが、短期的にはドルが買い戻される展開が予想される。ただし政策当局はその後も断続的な追加の介入を用意していると思われ、その後しばらくはドル円のレンジは切り下がっていくと思われる。円安の背景には高市総理の積極財政政策による日本の財政悪化懸念があり、日本国債の需給や財政懸念を示すタームプレミアムや日本の信用リスクを示すCDSも上昇傾向で(ブルームバーグより明治安田アセットマネジメント作成)、これらの指標が落ち着かないと円安の根本的な転換は難しい。衆議院選挙に向けて与党は食料品を2年間消費税の対象にしないとの考え方を示すなど、財政懸念払拭の観点からすると円高へのトレンドは難しい。今回の介入観測でドル円は大きく下落したが、ユーロ円の下落は小幅に留まっている。円安修正の主要目的は輸入物価上昇の緩和であり、円安やそれによる物価高を根本的に止めるにいはその他通貨を含めた総合的な円安を止める必要がある。正確な通貨別のデータは公表されていないが為替介入の原資となる外貨準備の大部分はドルベースと推測され(財務省HPより明治安田アセットマネジメント作成)、ユーロ売りや円買い介入は難しいと推測される。そうなると円安修正の高価は限定的となるため、日銀の利上げペース加速や日本政府のリフレ政策方針の転換と、円安の根本的な要因を市場が要求してくる可能性がある。そうした背景もあり年度末には150円台前半までの円高水準を予想するが、年央には再度150円代後半までの円の戻り売りの可能性も十分あり得る。
