政府が少子化対策の財源確保のため新たに創設する支援金制度について、経済同友会は現役世代の可処分所得を圧迫するなどとして、時限的な制度に留めるべきとの意見書をまとめた。政府は今年「子ども未来戦略方針」を決定し、毎年度3兆円台半ばの予算が今の予算に追加する形で必要となる。政府は財源について社会保障費の医療・介護などの予算を削り少子化対策に回す歳出改革などを行った上で、個人や事業主などが資金を拠出する社会保険の仕組みを活用し、支援金制度を創設するとしている。経済同友会は社会保険料を引き上げることで賄うのであれば、現役世代の可処分所得を圧迫すると指摘している。政府は国民の実質的な負担増なしに賄うとしており、医療費削減で減った分を支援金制度の財源にすることが検討されている。財務省が全国38都道府県の医療機関の経営状況を調査したところ、1万8000の入院施設のない診療所の経常利益率が2020年度3%だったのが昨年度は8.8%で、中小企業の全産業平均の3.4%を上回っている。財務省はデータをもとに診療報酬を引き下げるべきと主張し、医師会は物価高騰が続き他の産業に匹敵する賃上げを行う必要があるとし引き上げを求めている。