新村氏とともに中国の動向を伝える。中国の景気は鉄鋼市場から把握することができるといい、これは鉄鋼生産の需要の49.4%を中国が、同生産の57.7%を中国が担っている事がある。このため中国が使わなかった鉄鋼は外国へと売却しないと供給過剰となってしまう事がある。供給過剰を防ぐために中国は景気を刺激してきたが、2020年位から価格は下落傾向が続き、不動産規制による下落も見られる。中国の製造業PMIとも連動する傾向があるものの、生産調整は進んでいなかったものと見られる。一方で中国粗鋼生産の生産は増加が続いている。中国では高炉を地方政府が支援して動かしてきた中、高炉が止まってしまえば失業者が増加することで暴動につながることがあり、このために鉄鋼の価格は中国の実情を把握することに繋がるという。余った鉄鋼は外へと輸出されるものの、2024年の輸出量はこれまでの輸出量のレンジを大きく上回り、価格も平均を下回っている。人民元高に介入した中でも価格が下落している様子が見られ、厳しい状況にあるものと見られる。一方で鉄鋼の価格が上昇していれば内需が回復してきた事を指す動きとなる。アメリカ大統領選を巡っては対中関税引き上げをトランプ氏が主張する中、今後はアジアの国に安値で鉄鋼が流れる可能性もある。しかし、鉄鋼価格の下落はデフレ圧力につながることには注意が必要という。