「朝どうしても起きられない病がある」は〇。中高生の10人に1人が発症していると言われる起立性調整障害で、背後に睡眠の問題があるケースもある。実際の患者のケースを紹介した。当時中3だったコウジさんは、朝起きられず夕方から夜は元気になる生活が続いていた。母親は怠けていると思い怒って起こしていると、コウジさんは腹痛や頭痛に悩まされるようになった。ある朝母親が起こすと、コウジさんは人が変わったように怒って本当に起きれなくなり、病院で起立性調整障害と診断された。自律神経の調節がうまくいかないことで血流のバランスが悪くなり、様々な症状を引き起こす病だった。自律神経は体内時計とも連動しているため、自律神経とともに睡眠リズムが乱れ、朝起きられなくなることがある。確かな治療法がなく、コウジさんは様々な治療を試したが、どうしても朝起きることができなかった。母親は息子をどうにか救ってやりたいと治療法を調べ、柳沢先生とともに睡眠を研究する神林崇先生の論文を見つけた。