休憩を終えリズミカルに走り始めた直後、横山はわずかな段差でバランスを崩した。足腰の疲弊で体が言うことを聞かなくなっていた。時間内にゴールしたい横山は奮起したがそれを阻むようにゆるやかな上り坂が続いた。4分押しとスタッフに言われ休憩時間を短縮することを決断。走っている最中にはいろんな人の顔が浮かんだといい、「何回もオカンは出てきました」と話した。母の美奈子さんは決して裕福ではない経済事情の中、横山には仕立ての良い服を身に着けさせ自分はボロボロの服でいるような人だったという。再婚で2人の弟を生んでくれたが離婚する頃には癌を発症。母の応募ですでに事務所に所属していた横山は建設会社に就職し肉体労働の傍らレッスンを受けていた。8年の下積みを経てデビューした横山は母と弟を助けたい一心でがむしゃらに働いたという。母を想って作った歌「オニギシ」は母親の手作りのおにぎりが好物だった横山が子供の頃おにぎりをそう呼んでいたことからタイトルが決定。一度だけ母の前で歌うと美奈子さんは喜んでいたと明かした。