大規模火災につながる要因2つ目は、乾燥による出火リスクの増加。世界各地で発生する山火事。近年起こった大規模なものでは、2019~2020年にオーストラリアで発生したもの。空気の乾燥などによりオーストラリア各地で同時多発的に発生した。消火活動が追いつかず、日本の面積の半分近くに匹敵する森林や農地が焼きつくされた。約30人が犠牲になった。コアラやカンガルーなど、10億以上の動物が犠牲になったとされている。日本では、空気が乾燥する冬から春にかけて山火事が増える傾向にある。湿度の違いでどれほど燃え方が変わるのか。湿度30%春の空気の乾燥した気候と、湿度80%夏の空気の湿った気候を再現し、枯れ草の上に火種を置くと、湿った空気では10分以上経っても火が起きなかったが、乾燥した空気は3分で燃え上がった。2021年2月には、乾燥注意報が出ていた中、栃木県足利市で山火事が発生。懸命の消火活動にもかかわらず、167ヘクタールが焼失した。発生から23日目に鎮火した。