1977年に国の重要無形文化財に指定された輪島塗。被災した輪島市・河井町は職人たちが集中する輪島塗の中枢だった。田谷漆器店10代目・田谷昂大さんは輪島塗の生産から販売までを取り仕切る。輪島塗を作る工房は立ち入りが難しく道具などの回収がほとんどできていない。漆の塗り重ねることで備わった頑丈さは確かなもので、田谷さんが散乱していた商品を拾い集めたところ、およそ1000点のうち割れていたのは1点だけだった。復興をより難しくさせているのが完全分業のシステム。輪島キリモト7代目の桐本泰一さんは“木地師”と呼ばれる職人を抱えている。輪島塗に関する従事者は市内の人口の5%を占めていたが、仕事を失った職人が輪島を離れていく危機にも直面している。現在、復興に向けては国が事業者に対して最大1000万円を支援する策を発表。クラファンにはすでに3000万円を超える支援が集まっている。
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