解説委員・佐藤庸介の解説。庶民の味方「スルメイカ」が今、深刻な不漁に見舞われている。スルメイカの漁獲量を紹介(農林水産省)。2023年は1万9600トン(速報)で過去最低。スルメイカの一生(イメージ):秋生まれの群れ(日本海を北上)、冬生まれの群れ(太平洋を北上)を紹介。それぞれの問題について。1:狭くなった産卵場(冬生まれ)。スルメイカが卵を産める水深は100〜500m、生き残ることができる水温は18〜23℃。再生産可能な海域(冬生まれ、2月)の2015年、14年の比較を紹介。2015年以降、資源が大幅に減った。2:大陸側に流された?(秋生まれ)。スルメイカの子どもがどう流されるかを調べた実験を紹介(平年値・2001年−2022年、2019年−2022年の平均)。大陸側に流され、他国の排他的経済水域に入る分が多くなると、日本漁船が漁獲できず、違法操業、日本側の資源情報も乏しくなる。さらに大陸側は生育環境が悪く資源量の減少の可能性もある。
資源量の回復に向けて。漁獲量を抑えて回復を待つのが基本だが、2つの困難がある。1:漁獲できる量の算定。寿命がわずか1年で変動が激しく予想難易度が高い。2:国際的な協力。韓国、中国、ロシアなど各国で協力して管理が必要だが、話し合う場がない。水産庁は12月の下旬の会合で来年度以降、厳しい前提での漁獲可能量(TAC)で日本の漁業者に理解を得る考え。合わせて、韓国、中国、ロシアに情報交換を呼びかけているが、十分な協力は得られていない。しかし、韓国の漁業者も危機感をもっていて、まずは韓国との連携を加速すべき。
資源量の回復に向けて。漁獲量を抑えて回復を待つのが基本だが、2つの困難がある。1:漁獲できる量の算定。寿命がわずか1年で変動が激しく予想難易度が高い。2:国際的な協力。韓国、中国、ロシアなど各国で協力して管理が必要だが、話し合う場がない。水産庁は12月の下旬の会合で来年度以降、厳しい前提での漁獲可能量(TAC)で日本の漁業者に理解を得る考え。合わせて、韓国、中国、ロシアに情報交換を呼びかけているが、十分な協力は得られていない。しかし、韓国の漁業者も危機感をもっていて、まずは韓国との連携を加速すべき。