インドを取材した味田村さんは「気候変動と落雷の因果関係はまだはっきりしない。日本でもインドでも落雷数が増えている報告はあるが、一方で観測技術が進み、今まで逃していた雷も記録できるようになっているという状況もある。ただ地球温暖化の影響が何らかのかたちで出ている可能性はあると言われている。こうしたなかインドでは落雷による犠牲者が後を絶たない現状について国家としてもっと重大に受け止め重大な自然災害として被害者や家族に十分な保証をしていくべきだという議論も起きている。インドでは落雷の犠牲者の多くが貧しい農家の人たち。働き手を失い、残された家族もさらに経済的に厳しい状況に追い込まれているという現実がある。いまアジアでも雷の早期警報システムを構築しようという動きが強まっている。東南アジアのマレーシアのマラッカ海峡沿岸地域は年間雷日数うが200日程度と雷の多発地域。落雷による経済活動や市民生活への影響、人的被害などをもたらす災害リスクを減らしていくことが課題となっている。そこでJICAのプロジェクトで日本で開発された観測装置をマレーシア国内の9か所に設置し、雷の早期警報システムの運用が今年中に予定されている。落雷被害は世界各地で発生しており、早期警報システムなど国境を超えた取り組みも必要となっている。」などと伝えた。