圷さんは日経平均予想レンジを39,250円~39,350円とし、「昨晩の米国株が下落したので、日本株も軟調展開を見込んでいる。また、FOMCの開催を控えているので、戻りも鈍い展開になりやすいと考えている」と話した。注目ポイントには「アメリカの対中関税 2018年との違い」と挙げ、「2018年に米中対立が激化した際には日本株も下落したが、今回は当時ほど悪影響は出ないとみている。業績の中国依存度が低下したことを背景に挙げられる。アナリストの業績予想の方向性を示したディビジョンインデックスと中国製造業景況感を示したPMIの関係を比較したグラフを見てみると、かつての企業業績は中国の製造業景気に強い影響を受けてきたが、パンデミック以降は中国の依存度が低下する形になっている。一方、ディビジョンインデックスと米国の製造業の景況感を合成したコンポジットPMIを比較したグラフを見てみると、パンデミック以降米国の業績依存度が高まっている事がわかる。米中対立以降サプライチェーンの構築移行がだんだん進んでいったことと、パンデミック以降は中国のロックダウンが長期化したことで再構築の動きに拍車がかかったと考えている。2018年の米中貿易戦争の際、日本株が低迷したのは中国景気悪化だけではなく、グローバルな製造業の悪化という間接的な影響も大きかったと考えている。しかし今回はそれが小さいとみている。2018年前後のグローバル・中国・日本の製造業PMIの推移のグラフを見てみると、悪化幅という意味では中国よりグローバルの製造業PMIの方が大きかった事がわかる。これは当時のトランプ政権が不規則に5回にわたり対中関税を発動し、不透明感によって設備投資が減速したことが現れている。日本株にはこの影響が直撃したと考えている。しかし今回は米中対立の経験は世界中で共有されているし、2018年初のグローバル製造業PMIはピーク水準だったが、いまはボトム水準となるので、当時ほどの下押し圧力は製造業にかからないと考えている」などと話した。