2025年8月1日放送 23:00 - 23:58 テレビ東京

ワールドビジネスサテライト
WBS

出演者
田中瞳 後藤達也 長部稀 
(オープニング)
オープニング

オープニング映像が流れた。

(ニュース)
中継 中国・蘇州市 日本人親子にまた襲撃

中国の上海に隣接する江蘇省蘇州市で、きのう日本人の親子が何者かに襲われた。北京からの中継で北京支局の大橋達也が報告。日本大使館によると、きょう夕方になって現地公安当局から容疑者の身柄を確保したと連絡があった。中国側からは容疑者の国籍や事件の背景については何も発表はない。日中関係筋によると、親子が地下鉄の列車から降り、トイレに向かう途中に背後から石で殴られた。母親は頭を数針縫うけがをしたが命に別条はなく、子どもにけがはない。日本政府は中国側に対し、再発防止や邦人の安全確保を申し入れた。蘇州市では去年6月、スクールバスを待っていた日本人の親子が刃物を持った男に襲われ、助けに入った中国人女性が殺害される事件も起きている。日系企業幹部は「駐在員や家族が絶対に安全だとは言えない街になってしまった」としながらも「これまでの蘇州へ投下した資本を考えると簡単に撤退することはできない」などと話した。蘇州には自動車をはじめとした工場が集積していて、およそ3000社の日系企業が進出し、5000人近い日本人が暮らしている。中国政府は今年を抗日戦争勝利80周年としている。旧日本軍の731部隊を題材にした抗日映画が公開される予定のほか、軍事パレードが実施される9月3日までは中国全土で反日感情の高まりが懸念されている。

速報 トランプ氏 再び“利下げ圧力” 7月雇用統計 市場予想下回る

アメリカの最新の雇用統計が先ほど発表。7月の農業以外の分野で働く人の数は、前の月から11万人増加するとの市場予想だったが、それを大きく下回る7万3000人の増加となった。ニューヨークからの中継でニューヨーク支局の片渕茜が報告。トランプ関税の影響が労働市場にも及んできた結果だという見方が出ている。5月と6月の雇用者数の伸びが大幅に下方修正されていて、市場関係者からは状況を一変させたという声も上がっている。ニューヨーク証券取引所では下落して取引が始まっている。ダウ、ナスダックとも、景気減速懸念から大幅な下落。為替は円高ドル安が進み、147円80~90銭台。雇用統計発表後、市場が見込んでいる9月の利下げ確率は40%弱から70%にまで上昇。FRBに対して利下げを求めているトランプ大統領も自身のSNSで「“遅すぎる”パウエル議長は災害だ」と早速反応。一方、同時に発表された失業率は4.2%と6月からは悪化したが、市場予想とは一致する水準。パウエル議長はFOMC後の会見で「重要なのは失業率」と述べている。今回の発表でも平均時給は1年前から3.9%の上昇となっているので、データを慎重に見極める必要もありそう。

解説 雇用統計 市場予想を下回る 巨大テック“AI投資”の裏で…

経済ジャーナリストの後藤達也が解説。7月の雇用統計の結果が出たが、予想を下回る雇用者数の伸びだった。5月と6月も大幅な下方修正だった。3カ月連続で雇用増が10万人を割っているので弱い内容。9月の利下げ観測も強まっているが、ドル安の反応もかなりシャープなので、市場にもサプライズになったとみられる。技術的な要因もあるので、このデータだけで景気に変調をきたしているかは断言しにくい。最近、AIが失業を生んでいるという話が増えてきている。AIによって代替される仕事がかなり増えており、マイクロソフトは7月に9000人を解雇。AIのクロードを手掛けているアンソロピックのCEOは「今後1~5年で新卒レベルの業務の最大50%がAIに代替」などと述べている。また、IT企業の設備投資額が伸びている。AIインフラでリードするためにNVIDIAの半導体を買うなど、利益の大半を回すような構図。AIで業務が効率化しているので、人件費には回らない。FRB議長も注目はしている。AIがどう進化して、内容やカルチャーがどう変わっていくのかをつぶさに見ていくしかない。

7日から相互関税15%も… 自動車関税は先行き不明

トランプ大統領が7日から日本への関税を15%に引き上げる大統領令に署名。当初の25%からは引き下げとなったが、日本政府が合意したという自動車関税の27.5%から15%の引き下げについては時期は明らかにしておらず、関係者の間で不安が広がっている。正午すぎ、総理官邸に政府幹部たちが集められ、石破総理はあらゆる品目を網羅してトランプ関税に対応するよう求めた。赤沢経済再生担当大臣は「米側が約束したことはしっかりやってもらう」などとコメント。自動車関税を巡ってはアメリカに働きかけることしかできないのが現状。立憲民主党の野田代表は「共同文書がない」などと指摘。国民民主党の玉木代表は自動車の分野別関税が下がったかどうか確認できないこと自体を問題視。きょう今年4月から6月期の決算を発表した伊藤忠商事は「現状、関税の影響は軽微だ」としたが、鉢村剛CFOは「なにが除外され、なにが除外されないのかは少し心配がある」などとコメント。アメリカの鉄鋼大手「USスチール」買収を巡ってトランプ大統領と渡り合った日本製鉄は、関税の影響で2025年度の利益が500億円押し下げられる見通しだと明らかにした。森高弘会長は「不透明感がある状況に変わりはない」などと述べた。栃木県那須塩原市にある「泉鋼管」で生産する鉄パイプは、6割から7割ほどが自動車や二輪の部品メーカー向け。泉浩太郎社長は「売り上げが1割ほど落ち込む」などと話した。元請は理由を明かしていないものの、4月の自動車関税引き上げも影響しているとみている。先が見えない中、異形材と呼ばれる特殊な形状の鉄パイプの開発に取り組んでいる。売り上げを確保するため新しい分野との取引を狙う。石破総理は「今般の合意を実施するための措置を速やかにとるように求めていく」などと述べた。

解説 トランプ関税 7日発動へ 負担するのは?米経済に追い風も

経済ジャーナリストの後藤達也が解説。トランプ政権による新たな相互関税の発動は8月7日。エール大学がまとめたアメリカの関税を見ると、過去100年間でみても最高に近い。4月の予告と比べると少し低くなったので世界経済への悪影響は和らいだとの見方もあるが、いずれにしても急激な転換。関税分を販売価格に上乗せするとなればアメリカの消費者の負担になる。日本の輸出企業などが値下げすることによって関税分を相殺する形になれば企業側の負担になる。きのうイタリアのフェラーリの株価は、売り上げ高見通しが投資家の期待に沿わず、12%も急落。富裕層は関税分の値上げなどはそんなに気にしないとの見方もあったが、それを覆す内容。日本の輸出車価格の推移を見ると、今年4月頃からぐっと下がっている。関税分を輸出企業が負担する形で値下げしている構図。アメリカからの視点では、関税による収入が増え、貿易相手国が値下げしてくれるのでインフレは強くならない。さらに交渉の過程で対米投資も引き出せる。アメリカ経済は追い風になり、2025年の成長率は2%を超えるのではないかとの見方も増えている。

新人議員 初登院 衆参“少数与党”の臨時国会

先月の参議院選挙を受けた臨時国会がきょう、召集された。衆議院に続き参議院でも少数与党となった石破総理大臣の国会運営が始まる。午前8時の開門と同時に国会に入ってきたのは参院選で当選した新人議員たち。国民民主党・牛田参院議員は「非常に引き締まった気持ち」、チームみらい党首・安野参院議員は「われわれは風穴を開けていきたい」などと述べた。参院選で躍進した参政党の議員も初登院した。初登院の緊張からか、無所属の泉房穂参院議員は違う名前を押してしまった。石破政権にとって今後の大きな課題が野党との連携。立憲民主党や日本維新の会など野党7党はきょう、ガソリン税の暫定税率廃止法案を国会に共同提出。今年11月1日の廃止を明記し、与党側への圧力を強めた。同様の法案を野党側は参院選前の通常国会でも提出したが、与党側の反対で廃案になった。選挙結果を受け与党側の態度が変化。自民党・後藤政調会長代理は「法案を成立させ今年中のできるだけ早い時期に実施するということを与野党でしっかりと達成できるように進めていく」と述べた。臨時国会の会期は5日まで。週明けには異例の衆参両院で予算委員会が開かれる。

WBS Quick
JR東 来年3月に運賃値上げ

JR東日本はきょう、来年3月から運賃全体で平均7.1%値上げする申請が国土交通省から認可されたと発表した。初乗り運賃は切符の場合、150円から160円になり、ICカードは8~9円値上げする。本格的な値上げは1987年の民営化以来初めて。値上げによる増収は年間881億円の見込みで、鉄道サービス維持に必要な投資などにあてる方針。

量子コンピューター開発計画

富士通は世界最高レベルの量子コンピューターを2030年度に開発すると正式に発表した。量子ビット数が1万を超える計画で、「現在公表の中では世界最大級」という。また、KDDIは量子コンピューターのOS、ミドルウエアを2027年度末までに開発すると正式に発表した。「数千億円から数兆円規模の市場」を見込んでいて、将来的な競争力の獲得を目指す方針。

JA全中会長 引責辞任へ

JA全中の山野会長はきょう、来年3月ごろに辞任する意向を表明した。辞任の理由について山野氏は業務管理のシステム開発に失敗し、大規模な損失発生への責任を取るとしている。損失は200億円規模とみられているが、システム移行に時間がかかれば拡大する見通し。

お盆予約 国際線が人気

航空各社がきょう発表したお盆期間中の予約状況によると国内線は336万人で前年と同水準、国際線は63万人と去年に比べ約8%増えた。全日空ではハワイ方面の予約数がお盆期間として過去最多となったほか、新たに就航したミラノ路線などの好調によりヨーロッパ方面が17%増えた。日本航空ではハワイ方面が11%、北米方面が12%増え、東南アジアも好調。

求人倍率 2カ月連続低下

厚生労働省が発表した6月の有効求人倍率は、1.22倍と前月比0.002ポイント下回った。2カ月連続で低下した。企業からは「トランプ政権による関税政策の影響が不透明なため求人を控えた」との声が上がっているという。総務省が発表した6月の関税失業率は2.5%と前月から横ばいだった。

The 追跡
1週間の“経済”ニュース

7月26日土曜日。原子力規制委員会は九州電力玄海原発の敷地内でドローン3機の飛行が確認されたと発表した。ただ、ドローンとは断定できなかったため、「ドローンと思われる3つの光が確認された」と訂正している。

28日月曜日。国境地帯で軍事衝突を続けてきたタイとカンボジアはASEANの議長国、マレーシアで首脳による競技に臨み、停戦に合意した。30日、カンボジア軍が国境で夜間攻撃をしたとしてタイは「公然たる違反だ」と非難している。

29日火曜日。パレスチナ自治区ガザの保健当局は2023年10月に始まったイスラエルとイスラム組織ハマスの衝突によるガザ側の死者が6万人を超えたと発表した。

コメ価格に影響も 歴史的水不足コメ農家を直撃

30日、兵庫県丹波市で最高気温41.2℃を観測し、全国の観測史上1位の気温を更新した。厳しい暑さが続いているが深刻なのが水不足。新潟県でも住民に節水が呼びかけられ、コメの生産にも影響が出ている。新潟県上越市の生活用水を担う正善寺ダムの例年の水位は87.6mだが、今週水曜日時点では例年よりも10m以上水位が低下しているという。去年7月に撮影された写真を紹介。貯水率は例年約96%だが、7月30日は12.8%にまで低下していた。新潟県上越地域振興局地域整備部・田口副部長は「7月は全くといっていいほど(雨が)降っていない」などと述べた。北陸地方は観測史上最も降水量が少ない7月となった(気象庁)。上越市の7月の降水量は0.5ミリ。上越市のプール(リージョンプラザ上越)は7月28日から営業を休止している。このまま雨が降らなければ断水の可能性もある。2人暮らしの石塚さんを取材。玄関には飲料水の箱が積まれていた。パックご飯や紙皿などを用意。室外機から出てくる水をペットボトルにためて花壇の水やりに活用していた。農家にも影響が出ている。グリーンファーム清里・保坂社長は鳥獣被害だけでなく水不足も深刻だという。枯れてしまった田んぼもあり、このまま雨が降らなかれば最悪の場合、今年のコメの収穫量は去年の半分以下に減ってしまう可能性があるという。宇都宮大学農学部・小川助教は「今のコメの価格の高騰の大きな要因は2023年に猛暑と渇水が多くの地域で見られたのが大きな原因」などと指摘した。

水不足を解決!? 新たなな稲作

千葉県木更津市に農業スタートアップ「ニューグリーン」が手掛ける田んぼがある。ニューグリーン企画室の田中室長は「水を張らずに栽培するのが大きな特徴」などと述べた。乾田直播・節水型栽培という方法で水分は雨水や用水路の水で補うのみ。必要な水量は通常の約10分の1に抑えられる。雑草が生えるという課題はあるが、液体肥料の導入などにより質の向上を進める。今年で2年目の栽培だが、企業からも節水型栽培に注目されている。松屋フーズはニューグリーンなどと組み乾田直播・節水型栽培の実証実験を行っている。松屋フーズの戦略事業部・上遠野は「安定した値段で会社としても仕入れできる、客に提供できる体制がつくれる」などと述べた。松屋フーズはコメの自社栽培や店舗での提供を視野にいれている。

迫る断水…コメにも影響

新潟県上越市ではコンビニで「水に備えて」というポップがあったり、一部のガソリンスタンドでは洗車の時間を制限している。後藤達也は「猛暑に加え水不足ともなると作付面積が増えても収穫に不安が出てきてしまう」などとコメントした。

WBS Quick
箱根・強羅に初の直営ホテル

オープンハウスグループは初となる直営ホテルを11月、箱根・強羅にオープンすると発表。オリジナルのお茶と和菓子を提供。20~40代の夫婦やカップルをターゲット層とする。ホテル事業によってイメージアップをして住宅購入の拡大につなげる狙い。オープンハウスグループ・サステナビリティ推進部・横瀬副部長は、不動産を価値化していく手段がホテル事業を始めることで増えた。幅広く総合的に開発する不動産会社だとブランドの認知も変えていきたいとコメント。

速報 最低賃金 決着持ち越し 「時給1100円超」水準で協議か

厚労省の審議会は25年度の最低賃金引き上げ額の協議で合意を得ることができず、来週に結論を持ち越すことになった。きょうの会合では昨年度の51円を上回る引き上げで全国平均1100円を超える水準で協議を行ったとみられる。

1 - 2

© 2009-2025 WireAction, Inc. All Rights Reserved.