米国・トランプ次期大統領はFBI(連邦捜査局)の新たな長官についても熱烈な支持者のカシュパテル氏を起用すると明らかにした。トランプ氏の支持者もよく視聴するとされる保守系のFOXニュースも「パテル氏の起用は、熱狂とともにFBIの将来が不確かになるという不安を引き起こしている」という表現で伝えている。FBI長官は政治的圧力にさらされないように任期が10年と長く定められているが、現在のレイ長官を途中で解任したうえでFBIの抜本的な見直しを訴えるパテル氏を起用するのは波紋を呼ぶ。トランプ次期政権の人事に関する米国メディアの報道で最近、毎日のように見るのがretribution(報復)という言葉。トランプ氏は人物の資質ではなくみずからへの忠誠心の強さで起用を決めていると指摘されているが特に、みずからへの捜査に関与した機関についてはそれが顕著。司法長官への指名を辞退したゲーツ氏の辞退はゲーツ氏が未成年の女性に金銭を支払って性的な関係を持った疑いなどで当局の捜査を受けたことがあることから共和党内からも反対意見が上がり上院での承認が難航するとの見方が出たことが原因だった。一方、来年1月に始まる議会では上院は下院とともに共和党が多数派を占めトランプ氏を支持する、いわゆるMAGA派も議席を増やす。上院が、大統領の権力を監視するという役割を担い人事でも冷静な判断を行っていけるのか問われている。
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