FRB(連邦準備制度理事会)は先月開いた金融政策を決める会合で0.5%の大幅な利下げを決定した。利下げは4年半ぶりで記録的なインフレを抑えこむため異例のスピードで利上げを行い高い金利水準を維持してきたFRBの金融政策は大きな転換点を迎えた。9日に公表された会合の議事録によるとインフレ率の低下が大きく進んだことから大多数の参加者が0.5%の大幅な利下げを支持した。一方で何人かの参加者は「失業率が低い水準でインフレ率もいくぶん高いままだ」などとして0.25%の利下げが望ましいという見方を示していたことが分かった。米国では今月4日に発表された先月の雇用統計で農業分野以外の就業者の伸びが市場予想を大きく上回るなど労働市場の堅調さが続き「FRBは利下げを急がないのではないか」との見方が広がっている。公表された議事録でも参加者たちは今後の金融政策について「経済指標が予想どおりなら時間をかけて利下げを進めるのが適切」という認識で一致していて、引き続き雇用や物価データが焦点となる。